イベント企画から未知の介護業界へ 総務 伊藤さん
スタッフボイス ― Case6
思いがけない出来事から転職を決意
もちもちの木総務で短時間正職員として働く、勤続7年のベテランスタッフ伊藤多喜子さん。組織全体に関する事務を扱うほか、事業所や職員の内部調整、人事、企画営業、広報業務など様々な業務を担当しています。
都市計画コンサルタントや広告代理店のイベント企画、営業などを経てもちもちの木へ就職。前職は非常にハードで心身に大変なこともありましたが、イベント企画などは面白く仕事は続けるつもりだったといいます。
ある日、股関節に違和感を感じ病院受診したところ、30代後半で先天性変形性股関節症と診断されました。これまでのハードワークから一転、リハビリで足を温存するため生活の見直しを余儀なくされ、今後どうなることかと不安でいっぱいでした。しかし、両脚で人工関節でも自分に合うように働いている人や様々な障がいを持ちながらも働いている人がたくさんいることを知り精神的に救われたそうです。
当時、足の障害を理由に営業職から営業事務へ降格。好きな仕事ではなくなり、やりがいを感じられず転職を考えました。立ち仕事ができないため座ってできる専門職を検討し産業カウンセラーの資格を取得。しかし、それだけでは食べていくことができません。過去に仕事でご縁のあった社会福祉士に境遇を相談すると「社会福祉士」をすすめられ目指すことに。2年間、仕事をしながら早朝、夜間と睡眠時間を削り猛勉強の末、無事に資格を取得しました。その後、同じ方に紹介してもらい理念に共感できたもちもちの木に就職。しかし介護職は身体的に無理、相談業務も現場が分からないため総務で一から学ぶことを決め、現在に至ります。
転職したことにより、「一般企業の一社員だった頃と違い、NPOという自律的な組織がどのように成り立っているのか勉強になった。視野が広がった」と伊藤さん。産業カウンセラーの資格は、職員の雇用関係や職務環境の改善、人材育成に関わる業務などで役立っています。また、「これまでは厳しい競争社会にいた。社内でも誰が味方かわからない、人が信用できない環境だった。現在は収入は減ったが表裏がなくストレスのない世界」ともちもちの木の居心地の良さを話します。
ライフワークである邦楽との両立
物心ついたころから伝統的なものや文化的なものが好きで弟子入り修行に憧れていたという伊藤さん。「伝統が失われていくのがもったいない、継承する人になりたい」と常々思っていたそうです。元々邦楽は好きでしたが大学の頃に縁あって古典の三味線をはじめました。しかし、邦楽界は様々な流派があり厳しい制約がある。その縛りを失くそうと現代の三味線に転向し、現在も仕事の傍ら活動を続け三味線経験は30数年になります。ここ20年ほどは自身が企画する日本の伝統音楽の魅力を斬新な切り口で紹介するサロンコンサート「ノートジャパンの邦楽ノート」の活動が忙しかったため演奏から遠のいていましたが、これからも楽しんで続けるつもりだそうです。
もちもちの木では全職員に仕事以外の活動を積極的に推進しています。今の環境は心身共にバランスが取れていてストレスがなく楽しいと語ってくれました。
今後は、新型コロナの影響からも対面は難しく遠隔でのやり取りが増えるため、職員のPCスキルを向上することに、更に注力していくとのことです。
2020年8月末現在