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在宅を支えるデイサービス看護師 土江さん


スタッフボイス ― Case7

病院勤務時代の疑問から介護業界へ

スタッフ土江さん 土橋のおうちで勤続7年の常勤職員として働く看護師の土江真紀さん。ガンで亡くなった祖母がいた経験から、ホスピス(緩和ケア)勤務を目標に看護師になったそうです。
総合病院で10年間の経験を積み、妊娠出産を期に退職。5年間の育児休暇を経て復職を考えた際、病棟勤務していた時の疑問が頭をよぎったといいます。

「治療のための入院後、無事に退院する際、自宅で安心して療養生活を送れるよう丁寧に退院指導を行って病院を送り出しているにもかかわらず、なぜ、また病院に戻ってくる患者さんが多いのか」

“治療のための一時的な場所”である病院と違い、より生活に近い“介護福祉”に携われば何か分かるかもしれないと、パートとしてもちもちの木へ就職。
病棟では分からなかった日常の様子を知ることができ理由がはっきりしたそうです。「病院の管理された環境とは違い、退院後は、行動、食事など入院前の生活に戻ってしまう。確かに入退院を繰り返すような状況にはなるだろうな、と感じた」と土江さん。介護を受ける側もする側も普段の生活スタイルは『要(かなめ)』だと話します。

昨年には、法人からの勧めもあり認知症介護実践者研修を修了。これまで感覚的に理解していた『自立支援』を、体系的に学ぶことで本当の意味で理解できたそうです。

「看護師は、治療のために患者さんの行動を先読みし先回りしてサポートします。介護は全くの逆で、利用者さんに合わせて動きを見守り、時に寄り添い『待つ』ことが必要。デイサービスを含めた日常生活の中で寝たきりにさせない方法を、ご本人の状況によって臨機応変に対応しながら機能訓練を行います。先回りのサポートは自立支援では不要です」とのこと。
 

「看護」という専門性を「地域」で生かす

 
スタッフ土江さん  ホスピスでの勤務を目指していた土江さん。現在はどのように先を見据えているのか尋ねてみると、「正直に言うと何度か方向性に悩む時期がありました」と、これまでに葛藤があったことを話してくれました。「近年は、看護業界も訪問看護に力を入れています。社会全体が『病院での看護医療』から『地域の中での看護医療』に向かっていると思います。医療の方に負担がかからない方向へ、と考えると、今の現場で『看護』という専門性を生かすことが大切なのかな、と考えています。今は、いろんなことが分かってきて、この仕事が本当に面白くなってきました。やっていて良かったなぁ、と思うことも多いです」と土江さん。

現在、新型コロナ感染拡大防止により、マスクで顔の表情がわかりにくく、コミュニケーションや今までとは違う生活スタイルに適応するのが難しいとストレスを感じている利用者さんやご家族が多いそうです。コロナへの配慮は行いつつ、デイサービスでの適度な刺激により満足して帰られた利用者さんのご家族から、「帰宅後はとてもぐっすり休んでくれて、私たちもリラックスして過ごすことができた」とご報告があるそう。普段、ご家族から、医療機関を受診するタイミングや薬の管理・投与の方法など、在宅時の介護・看護について相談を受けることが多い土江さん。「ご家族もとても疲れているんです。少しでも楽になれるなら、本当に良かったな、と思います」と笑顔で話してくれました。

土江さんは、看護師としての専門職の仕事のほか、もちもちの木の介護技術指導者としてスタッフ教育も担当しています。一昨年からはアセッサーとしてのキャリアもスタートしました。今後としては、看護の専門的な知識を学ぶことに加え、介護技術の質を向上させ、もっと介護への理解を深めてもらいたいと考えているそうす。

2021年1月末現在

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